今年5月、神戸港において日本国内で初となるヒアリが発見され、さらには名古屋港、大阪港と、ヒアリの発見が続いています。
ヒアリは猛毒を持ち、刺されると場合によっては死に至らしめる場合も!
ヒアリに刺された画像や症状、対処法が気になります。
ここでは、ヒアリに刺されたらどうなるのか、画像や症状、そして対処方法をまとめました。
ヒアリとは
ヒアリとは、刺されると火傷のような痛みを起こすアリの総称で、狭義的には南米原産のSolenopsis invictaのことを指します。
別名アカヒアリとも呼ばれ、漢字では「火蟻」と表記されます。
体長は2.5~6mm程度、赤茶色の体色をしており、触角の先に2節からなるふくらみ、お腹の近くの腹柄には2つのこぶを持っています。
お尻に毒針を持っており、攻撃的な性格なのでこの毒針で積極的に刺してきます。
他のアリと同様、女王アリとワーカーがおり、女王アリは1時間に80個、1日に2000~3000個のペースで卵を産みます。
日当たりの良い場所に、巣としてドーム状の形をした直径25~60cm、高さ15~50cmの、マウンド状のアリ塚を作ります。
コロニー内に存在するアリの数は、数万から数十万にも!
突然の雨に見舞われても、ヒアリたちは互いに組み合ってイカダをつくり、水たまりに浮いて避難するほど、恐るべき生存能力を持ち合わせています。
元々、南米中部原産のアリでしたが、1942年にアメリカ南部で侵入が報告されてから少しずつ拡大し、現在、環太平洋諸国に定着すると、カリブ海の島々、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、中国にも分布しています。
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ヒアリに刺されるとどうなる?
ヒアリの毒は、「ソレノプシン」というものが主成分で、ヒアリに刺されると激痛が走り、刺されたところは赤く腫れあがり水疱が生じます。
ヒアリは一度に何度も刺すので、同じ場所に複数の腫れができるのが特徴です。
通常、ヒアリに刺されても1週間ほどで治癒します。
しかし、ヒアリの毒にはソレノプシンの他にもいろいろなたんぱく質が含まれており、すでにヒアリに刺されたことがある人は過剰反応を起こしてアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。
最悪の場合は死に至ることもあるため、早急に適切な処置が必要になります。
アメリカでヒアリに刺される人は、年間1,400万人にものぼり、そのうち100人ほどの方が毎年亡くなっています。
また、ヒアリの毒に対するアレルギー反応は、年間1,500件ほど報告されています。
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ヒアリに刺されたときの対処法
ヒアリの毒に対する反応は人それぞれですが、ハチアレルギーのある人はアナフィラキシーショックを引き起こす可能性が高いため、要注意です。
刺されたらまずは動き回らず安静にし、体調に変化がないか観察してください。
そして、漂白剤を同量の水で薄めて患部を洗浄し、かゆみを抑える抗ヒスタミン剤や細菌感染を防ぐ薬を塗りましょう。
市販の虫刺され薬で構いません。
もしもアナフィラキシーショックを起こした場合、病院で内科的処置を受けなければなりません。
今までにアナフィラキシーの症状があった人には、血圧を上げる薬を自己注射できる、アドレナリン自己注射キットのエピペンがありますので、常備しておくといいですね。
ヒアリに刺されたらこの世の終わりのように思ってしまいがちですが、ヒアリに刺されて死ぬ確率は14万人に1人、0.001%以下程度と、極めて低いケースです。
早急にきちんと対処できれば、刺されても恐ろしいものではありませんので心配しないでくださいね。
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ヒアリを見つけたときの対処法
ヒアリの駆除方法は次の3つです。
まず、熱湯をかけます。
他の虫と同様、熱湯を直接かければアリは死にます。
しかし、アリ塚の深い部分にいるヒアリまでは駆除できませんので注意してください。
次に、殺虫剤などの液剤を撒きます。
アリ塚に液剤を撒くと、液剤が浸透した部分のヒアリは死にます。
しかし、うまく液剤を使用しないとヒアリが駆除できない可能性があり、また、他の昆虫への影響も出てくるため、使用には充分注意してください。
最後に、顆粒やゼリー状の毒餌を設置します。
時間はかかりますが、アリ塚にいるものも含め、駆除はしやすくなります。
いずれにしても、本当にヒアリなのか、専門機関に確認してもらう必要があります。
もしヒアリを発見したら、とにかく刺されないように注意し、すぐに地方環境事務所に通報しましょう。
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