家の中にいたり、屋外で巣を作っていたりと、身近な存在の生き物である蜘蛛。
刺されたり噛まれたりしたら大変って、家の中の蜘蛛を退治したり追い出したりしていませんか?
実は、家の中の茶色い蜘蛛は、私たちにとって大切な役割を果たしている益虫なんです。
今回は、家の中で見られる茶色い蜘蛛の種類や生態の情報をお伝えしますね。
家の蜘蛛、茶色い小さいものの種類
屋内でよく見かける、茶色くて小さな蜘蛛の多くは、ハエトリグモという種類です。
ハエトリグモといっても、その種類はなんと500属5,000種類にも及び、熱帯地域を中心に世界各地に生息してます。
ハエトリグモは、日本では家蜘蛛として知られる蜘蛛で、日本の家で特に見られるものは、アダンソンハエトリとチャスジハエトリです。
アダンソンハエトリの体長は雌で6-9mm、雄で5-7mmです。
チャスジハエトリはハエトリグモとしては大柄で、雌は体長10-12mm、雄は7-11mmです。
どちらも褐色から茶褐色をしていますが、アダンソンハエトリのオスは黒い体色をしています。
自分と同じくらい、もしくは小さな獲物をエサとします。
例えばダニやハエ、ゴキブリなどです。
エサを捕獲する網を張らず、歩き回りながら獲物を狩ります。よく走り回り、ジャンプも得意です。
目が大きく発達していて、前列に4つの目が正面を向いています。
前方に向かう目の視力はよく、ものの形も理解できるとされています。
足は比較的太くて短いものが多く、足先には2本爪があります。その間に粘着毛を持つので、ガラス面でも歩くことができます。
この2種の他には、家の外壁やブロック塀などに生息するシラヒゲハエトリ、垣根や植え込みに生息するネコハエトリやマミジロハエトリなどが知られています。
人家の軒下や窓の縁でよく目にすることが多いのは、イエオニグモです。
この蜘蛛は円い網を張り、体長は雌で8-12mm、雄で4-5mm、灰色や褐色の地味な色をしています。
昼間は網をたたみ、糸で作った小さなシート中央のくぼみにいます。
夕方になると網をたたみ、新しい網を張ります。
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家の蜘蛛、茶色く大きいものの種類
屋内でよく見かける、茶色くて大きな蜘蛛は、アシダカグモです。
体長はメスで20-30mm、雄で10-25mmほど、手のひらと同じくらいの大きさで、家の中に現れる蜘蛛としては比較的大きな蜘蛛です。
網を張ってエサを捕らえるのではなく、自分で歩きまわって捕獲します。
ゴキブリを主食とし、ゴキブリ最大の天敵でもあります。
原産地はインドといわれていて、日本には生息していなかった蜘蛛ですが、1878年に長崎で初めてその存在が報告されました。
この蜘蛛の寿命は、雌で5~7年といわれており、冬以外は年中見られます。
その他、異様に長い手足を持ち、何とも不気味な姿をしているイエユウレイグモもいます。
うす暗い物陰を好み、屋内の床下や隙間などにひっそり生息しています。
全体的にとても華奢で、色も白っぽいものが多いです。
雄は、雌とほぼ同じ大きさですが、より華奢です。
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家の茶色い蜘蛛は益虫?
その姿が気味悪いと嫌われることの多い蜘蛛ですが、実は家の中の衛生害虫を食べてくれる益虫なんです。
蜘蛛を退治したのはいいけれど、蜘蛛がいなくなってからゴキブリが出だしたという声も少なくありません。
ゴキブリからすれば、天敵である蜘蛛がいなくなれば楽園のようなものです。
できることなら、蜘蛛は退治しないで放置しておくほうがいいようです。
とはいっても、蜘蛛の姿を苦手とする人にとっては不快害虫であることは間違いありません。
蜘蛛を退治する前に、まずはゴキブリや蚊、ハエといった害虫駆除を行いましょう。
蜘蛛は、これら害虫を餌として集まってきます。
害虫がいなくなればエサを求めて勝手に出ていってくれますよ。