周りの同級生たちはおねしょが治ったのに、まだうちの子は・・・。
我が子のおねしょがなかなか治らないことに焦っていませんか?
5歳を過ぎてもまだおねしょが続いていることを「夜尿症」と言います。
それほど珍しいことではないものの、やっぱり親としては気になりますよね。
でも、その親の焦りが子どもを追い詰めているのかもしれません!
夜尿症について知識を学び、正しい向き合い方を知っておきましょう!
目次
夜尿症とは
夜尿と年齢との関係
夜尿とは、寝ている間に知らず知らずのうちに尿を漏らしてしまう現象です。
乳児のころはまだ膀胱が小さく、尿も昼夜問わず作られるので、夜であっても昼と同じ間隔で尿をしています。
2~3歳の幼児になると、夜に溜められる尿の量が増えるとともに、夜に作られる尿の量は減ってきます。
この頃になると、夜尿をする子供は二人に一人の割合になります。
4~5歳になると、夜に溜められる尿の量が安定し、夜間の尿量も減ってきます。
この頃になると、70~80%の子どもは夜尿をしなくなります。
おねしょとは違う?
おねしょとは、寝ている間に知らず知らずのうちに尿を漏らしてしまうことを言い、4歳くらいまでの幼児に多い症状です。
夜尿症も、現象自体はおねしょと同じですが、日本泌尿器科学会では、次のような定義がされています。
5歳を過ぎて週に2回以上の頻度で、少なくとも3か月以上の期間において夜間睡眠中の尿失禁を認めるもの
引用:日本泌尿器科学会
つまり、おねしょと夜尿症の違いは、年齢という点です。
幼児期の夜尿をおねしょ、小学校入学前後の5~6歳以後の夜尿を夜尿症、というわけです。
夜尿症の子どもは多い?
12歳を過ぎれば夜尿はほとんどしなくなりますが、0.1~0.3%程度は、成人になっても夜尿症が見られることもあります。
夜尿症は、わりと多くの子どもが抱えている、それほど珍しくない病気なのです。
スポンサードリンク
夜尿症の原因とは
夜尿症の主な原因は、夜間に作られる尿の量が多いこと、夜間に尿を溜めておける膀胱の用量が小さいことがあげられます。
また、体が冷えることで夜尿をさらに悪化させているとも言われています。
夜間に作られる尿の量が多い
夜間に作られる尿量をコントロールするのに重要なのが、抗利尿ホルモンです。
脳から分泌されるホルモンで、昼間は少なく、夜は多く分泌されます。
このホルモンの分泌によって、夜間に作られる尿量が少なくなるんです。
このホルモンは、通常、成長とともに分泌されるリズムが整ってくるのですが、夜尿症の子どもは、昼間は普通でも夜だけ分泌量が悪く、夜間に作られる尿量が多くなるのです。
夜間の膀胱容量が小さい
4~5歳になれば、夜間トイレに一度も行かなくても大丈夫なくらいの尿が溜められるようになります。
しかし、夜尿症の子どもの中には、膀胱の働きが未熟で、膀胱に溜められる尿の量が少ないといったことがあります。
また、寝る前にトイレへ行っても、全部出せないといったケースもあります。
睡眠の影響
子どもが夜更かしをすると、夜尿症を悪化させると言われています。
その理由は、睡眠が不足することでホルモンバランスが崩れてしまうからです。
本来、正常に泌されるはずの抗利尿ホルモンがうまく分泌されないことで、夜尿をしてしまうことにつながってしまうんです。
心理的ストレス
半年~1年以上の間なかった夜尿が、突如また始まったというケースは、ストレスが原因であることが多いです。
情緒や感情をコントロールしている視床下部は、自律神経と深い関りを持っています。
強いストレスがかかると自律神経がうまく働かなくなり、抗利尿ホルモンが正常に分泌されなくなって夜尿の原因になります。
ストレスが解消されれば、自然と治まっていくでしょう。
膀胱や腎臓に異常がある
それほど多いケースではありませんが、膀胱や腎臓に何らかの異常があることが原因となる場合があります。
夜間だけでなく、昼間も下着を濡らしてしまう場合は、膀胱や腎臓の異常を疑った方がいいかもしれません。
スポンサードリンク
夜尿症の改善方法
夜尿症は治る?
多くの場合、12歳を過ぎる頃には夜尿は見られなくなると言われています。
しかし、夜尿が治る時期は、子どもの年齢や夜尿の頻度・原因などに大きく影響されるので、子ども一人ひとりに違いがあります。
夜尿症の多くは、そのうち治るものではありますが、思っているよりも時間がかかってしまうものだということを覚悟しておきましょう。
規則正しい生活
自律神経は、膀胱や腎臓の働きを調節しています。
不規則な生活をしていると、その働きがうまくいかなくなってしまうので、抗利尿ホルモンの分泌に悪影響を与えます。
早寝早起き、3食のしっかりした食事を心掛け、規則正しい生活リズムを整えましょう。
塩分、水分の摂りすぎに注意
塩分を摂り過ぎると、のどが渇いて過剰に水分を摂取してしまうことになります。
塩分摂取量に気を付けて、寝る前に多くの水分を摂らないようにしましょう。
ちなみに水分を摂るのは、寝る2時間前までに済ませておくのがいいですよ。
冷えに注意
体の冷えは、夜尿症の原因になります。
寝る前には、子どもの手足が冷えていないか確認しましょう。
就寝前に温かいお風呂に入り、体を温めてあげるといいですね。
寝る前にはトイレへ
寝る前にトイレへ行くことを習慣にしましょう。
寝る前にトイレに行くと、夜間に膀胱が尿を溜める量を増やすことができます。
医療機関へ相談に
夜尿症の多くは自然に治っていきますが、夜尿をしていることが子どもの自信をなくしたり、心理的なストレスになったりしていることも。
夜尿症はなるべく早く治療してあげた方がいいですね。
タイミングは、子どもが小学校に入学しても夜尿が治らない場合です。
医療機関では、夜尿症に有効な薬剤などを処方してくれ、夜尿症の治療を受けることができますよ。