日本では家を購入する際、多くの人が家相や風水を気にしますよね。
しかし、「そもそも家相?風水?聞いたことはあるけど、何が違うの?」という人も多いのではないでしょうか。
そんな時に何を参考に考えてお家づくりをしていけばいいのかをご紹介します。
風水と家相の違いとは?
風水
風水とは中国でできた、開運のために環境づくりをするという環境学です。
風水では「気」の力を利用して開運を呼び込むと言われています。家づくりだけではなく、身の回りの物や、持ち物、色なども利用して良い気を身に着けるというものです。
日本に風水をもたらしたのは、日本に暦法(太陰暦)を伝えた人物と同一人物であると言われています。
また、聖徳太子も風水について学んでいたとの話もあります。藤原京から始まり平安京に至るまでの日本の遷都の歴史は、風水が強く用いられていた様です。
風水の考え方は陰陽道に基づくものとされており、現代では徐々にその考え方だけが独立されて、今の形となっています。
家相
家相とは日本でできた家づくりの知恵です。
良い方位に合わせて家を作っていくことで、そこに住む住人を良い運気へと導いてくれると言われています。開運のために家相を気にして建てるという方も少なくありません。
家相は日本の風土に合わせてできたと言われており、先人の知恵が集約された、家づくりの知恵袋のような物とも考えられます。元を辿ると中国の陰陽道から生まれた考えとも言われており、風水と似ている部分も多くあります。
つまり、家相と風水とは同じ陰陽道に基づいて出来ているものなのです。
しかし、家相はそれを日本の風土に合わせて家屋のみに用いられており、似て非なるものとも言えます。
表鬼門
例えば、表に鬼が通る道と書いて「表鬼門(おもてきもん)」と呼ばれる位置が北東方向になります。
陰陽道では、北東と南西は鬼が出入りする方角で、忌むべき方角とされ、表鬼門・裏鬼門は「陰」と「陽」の切り替わる地点に当たり、気が乱れやすい方位とされ、「悪気や邪気」が溜まりやすくなると言われています。
家相でもこの鬼門に位置する場所に、トイレや玄関などを設置をすると家に悪いことが起こると言われています。
それはなぜでしょうか?
諸説はありますが、昔の家は、トイレは厠(かわや)と言って外に設置してありました。寒い日にトイレに行こうと外に出ると、寒暖の差で心臓発作を起こし、亡くなってしまう人もいました。今でいうとヒートショックが原因ですが、当時は「丑寅」という日本で恐れられていた神様の仕業と思われていました。
北東方向は太陽がの日があたり辛く、寒くなりやすい方位ですので、表鬼門とされ、トイレや玄関は作ってはいけないという話が生まれたと言われています。
裏鬼門
表鬼門と逆方位の南西には「裏鬼門(うらきもん)」と呼ばれるものがあります。
こちらにも水回りや台所、玄関を配置してはいけないと言われています。この方位も陰陽道では、敵が攻めてくる方位や、霊道があるとされる方位で不吉だと言われています。
日本でも元々、南西方向は日光が強く食べ物を腐らせることから、南西には悪い神様が住んでいるという考え方がありました。
そのため家相でも裏鬼門は不吉な方位となっており表鬼門・裏鬼門のある「北東」「南西」は良くない方位だとされています。
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何を基準に家を建てれば正解?
その他にも風水や家相には色々な決まり事はありますが、現在の住宅でそれを全てクリアするにはとてつもない労力が必要ですよね。
昔と比べて現在の敷地は狭いし、建築様式・工法、生活習慣も違います。
また、現在は住宅の断熱性能も良く、北東方向にトイレを設置してもヒートショックが起きる可能性は少なくなっていますし、冷蔵庫もあるため、南西にキッチンを設置して食べ物が腐ってしまう可能性も少なくなっています。その他にも敵が北東や南西から攻めてくるということもないと思います。
限られた敷地に限られた予算で、限られた規模の家を建てていく為、沢山ある家相や風水の基準をクリアする為に労力を使うのはあまりお勧めではありません。
大切なのは家相や風水より、住む方が使い勝手が良く、快適に過ごせることに尽きます。