- お菓子に使用されるシナモン
- 京都の有名なお土産である八ツ橋に使われているニッキ
- 漢方として使われる桂皮
どれも同じ樹木からできているのをご存知ですか?
どれも同じような香りがしますが、使い分けされている理由に何か違いがあるのでしょうか?こ
シナモンとニッキ、違いの正体は原料にある!
シナモンもニッキも桂皮も、クスノキ科の常緑樹である「ニッケイ」という、同じ樹木からできています。
しかし、それぞれ原料となるニッケイに違いがあります。
シナモンの原料となるのは、スリランカやインドなどに生えている、「セイロンニッケイ」という樹木の皮です。
セイロンニッケイの幹の皮の内側にはコルクのような層が隠れており、これを乾燥させることでシナモンが出来上がります。
一方、ニッキの原料となるのは、「シナニッケイ」という日本産のニッケイの根っこです。
桂皮は主に、「トンキンニッケイ」などのクスノキ科の樹木が原料となります。
桂皮もシナモン同様、トンキンニッケイの幹の皮の内側に隠れているコルク層を乾燥させたものです。
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シナモンとニッキの香りに違いはある?
シナモンとニッキと桂皮、同じ樹木からできていますが、実は香りに違いがあります。
3者ともほぼ同じ成分でできていますが、シナモンの香りは甘く、マイルドな風味を持っています。
この独特な風味の正体は、「オイゲノール」という成分です。
このオイゲノールは、スリランカのセイロン産のニッケイにしか含まれていません。
ニッキにはシナモンに含まれているオイゲーノールは含まれていません。
そのため、ニッキにはハッカやミントような、スッキリとした刺激があってちょっと辛く感じます。
シナモンもニッキも桂皮も、香りの主成分となっているのは「シナムアルデヒド」という成分です。
この成分は、お菓子のような甘い食べ物に良く合う香りを放ちますが、実は防虫効果もあるようです。
ハチミツにシナモンをまぶしたものとただのハチミツを、それぞれアリの巣のそばに放置した実験があります。
この実験の結果、アリはただのハチミツの方に集まり、シナモンをまぶしたハチミツには一切集まりませんでした。
このように、シナムアルデヒドの防虫効果はとても強力で、シナモンの香りを放っておけば部屋にも虫は入ってきません。
ただし、シナムアルデヒドの効果はすぐに消えてしまうようですので、効果を持続させることは困難なようです。
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シナモンもニッキも、生薬としても優秀!
桂皮は、体を温めて発汗を促したり、解熱鎮痛や健胃・整腸作用の効能があるとして、昔から生薬として用いられています。
シナモンやニッキにも同じような効能があり、香辛料としてだけではなく、生薬としても使われてきました。
毛細血管を保護して血行を促進したり、殺菌・解熱作用を持っています。
また、中性脂肪やコレステロールを抑えたり、血圧や血糖値を下げる効果もあります。
抜け毛予防や改善といった美容効果まで!
香りづけ程度に使用するだけなんてもったいないですね!