甜菜糖とは、北海道原産の、植物から抽出した自然由来の甘味料です。
それが肥満の元凶になるとか、農薬が使用されていて危険だとか、根拠のないデマが流れているようです。
本当に甜菜糖は危険なものなのでしょうか?
ここでは、甜菜糖が危険であるとの情報はデマなのか、またその根拠や北海道の農業を支えるホクレンの説明についてまとめました。
砂糖は危険!?
砂糖を摂取することについて、さまざまな弊害があるとの指摘が盛んにされています。
例えば、砂糖は肥満の元凶であるとか、糖尿病を引き起こす、中毒性があるなど、特に白砂糖については人間にとって危険なことがたくさんあるかのようなことが言われているようです。
しかし、そうした発言は、人工甘味料を含む糖類があらゆる加工食品や飲料の中に含まれており、それらを自覚することなく過剰摂取している現代人の食生活に向けた警告として、アメリカやヨーロッパから始まったものです。
決して、砂糖そのものを否定する発言ではないのです。
もともと砂糖は、サトウキビや甜菜といった植物から抽出した、自然由来の甘味料です。
人間が古来から利用してきたもので、本来の自然な風味やミネラル等の栄養豊富な黒砂糖や、メープルシロップなどはもちろん、精製された白砂糖であっても、調味料の一部として適量を使用する限りは、決して危険なものではありません。
問題なのは、砂糖のその使用方法であり、どのように使うかの選択は、砂糖ではなく消費者に責任があるのです。
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甜菜糖(てんさいとう)とは
砂糖の原料といえば、沖縄や鹿児島などのサトウキビが有名ですが、この甜菜糖は、北海道が原産です。
ジャガイモや牛乳などと並ぶ北海道を代表する産物の一つで、日本での生産地は北海道だけです。
甜菜は、ビートといわれる作物です。
大根のような見た目をしており、ほうれん草と同じアカザ科の野菜です。
甜菜糖は、この甜菜を原料とし、大根のような白い根を細かく切ってそれを煮出すと、糖分が抽出できます。
その糖分をろ過して煮詰めたあと、結晶と糖蜜に分け、それぞれ乾燥させると、結晶は上白糖・グラニュー糖に、糖蜜は甜菜糖になります。
この甜菜糖が茶色い色をしているのは、蜜を含んだまま高温で乾燥させた天然の色だからです。
甜菜糖は、まろやかな甘さと風味、コクを持ちます。
コーヒーや紅茶、スイーツで使用することはもちろん、料理に使えば、コクや照りを上手く出すことができます。
煮物や照り焼きなどにはおすすめの砂糖です。
さらに、天然のミネラルやオリゴ糖まで含まれています。
甜菜糖に含まれるオリゴ糖が、腸内のビフィズス菌の栄養源となることで、腸の活性化を手助けします。
甜菜糖が危険!と言われる原因
甜菜糖には栄養が豊富に含まれていますが、しかし甜菜糖はあくまでも砂糖です。
他の食品と比較すれば、カロリーは高い割に栄養価は低く、血糖値の上がるスピードも高いので、過剰に摂取すれば、肥満や低血糖症などを引き起こす原因になります。
確かに甜菜糖は自然由来で身体にやさしい砂糖ですが、決して健康効果のある食品ではありません。
また、甜菜糖が危険であると言われている原因は、原料である甜菜の栽培に農薬が使われることが多く、原料である甜菜が遺伝子組み換えの場合があるとされているためです。
確かに、甜菜は高緯度のヨーロッパが原産、もともと寒さに強いとはいえ北海道はその中でも最南になるため、害虫の被害に合う割合も高いようです。
そのため、害虫予防のために農薬は使用されています。
しかし、私たちが普段口にする野菜のほとんどは、農薬が使用されています。
甜菜糖だけが農薬使用を糾弾されるなんておかしな話です。
また、日本では遺伝子組み換えされた甜菜を商用栽培することは認められていません。
日本産のものであれば安全なはずです。
甜菜糖が危険であるという理由には、甜菜糖が自然由来のものだから身体によいものであるといった認識から、過剰反応してしまったことが原因と考えられます。
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