中華料理には香辛料が欠かせません。
中でも風味づけによく使われる八角は、中華料理や台湾料理には欠かせない香辛料です。
風味づけに使われるものとしてシナモンもありますが、八角とはどんな味をしているのでしょうか?
ここでは、特徴的な形をした八角とはシナモンとどのように違う香辛料なのか、その味やにおい、効能についてまとめました。
八角とは?
八角は、中国原産のトウシキミという常緑高木の実を乾燥させたもので、中国の混合香辛料である五香粉の中心的なスパイスとなっています。
アニスや甘草に似た香味とほのかな苦味を持っており、主に、豚肉や鶏肉を使った料理に使われていますが、お菓子や杏仁豆腐のトッピングなどにも、幅広く用いられています。
八角は、その形状から別名スターアニスとも呼ばれています。
八角はとても繊細な香辛料で、湿気や高温にはとても弱く、大量購入できないため、中国では使う分だけ少しずつ購入されているようです。
山椒や花椒、唐辛子とともに、四川料理にはなくてはならない香辛料ですが、最近では、インフルエンザの治療薬「タミフル」の原材料の一部としても八角が使用されています。
豚の角煮には必ず八角が使われていますが、その理由として、八角の独特な強い臭いが豚肉特有の臭味を緩和するため、あるいは消化を良くするなどの薬効の効用を期待して使われているようです。
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八角はどんな味?
中華料理に使われる香辛料と聞くとスパイシーなイメージを連想されるかもしれませんが、八角はシナモンを凝縮させたような独特な甘い香りと、ほのかな苦味がします。
八角を割ったり砕いたりすると、その味や香りは強くなります。
そのため、薄味の料理や肉料理の臭み消しなどにおすすめです。
ただし、少しの量でも強い香りがするので、入れすぎには充分注意しましょう。
八角と同様、甘い香りがする香辛料にシナモンがあります。
シナモンは、アップルパイやシナモンロールなどの甘いお菓子には欠かせませんが、八角と比べると、シナモンの方が甘みがあり、八角の方がスパイシーさが強いです。
それため、お菓子にはシナモンが、クセのあるお肉料理には八角がおすすめです。
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八角の使い方
八角を使った代表的な料理といえば、豚の角煮です。
八角を少し取り入れるだけで香りが高くなり、いつもの豚の角煮も高級感漂う味わいに仕上げることができます。
豚肉を煮込む際に八角を入れれば、肉の臭いも気にならず、味に深みを持たせます。
八角の特有の香りには、川魚や豚肉の生臭さを緩和してくれる効果があるため、豚の角煮だけでなく、鹿やイノシシなどの臭いの強い肉料理にもおすすめの香辛料です。
さらに、ほのかな甘さや苦みで、料理にコクや風味を与えてくれます。
本場中国では、東坡肉(トンポーロー)や北京ダックに八角を使用しています。
甘みのある香りを持っていることから、杏仁豆腐やマンゴープリンなどの飾りとしてなど、デザートに用いられることもしばしばあります。
八角をプラスすることで甘みが強まり、濃厚な味わいに仕上がります。
星形のかわいい見た目が、飾りとしてもいい効果があるようです。