思いがけない訃報は、誰でも動転してしまうもの。
でも、遺族から訃報を受けた場合は、悲しみに暮れる遺族の気持ちを思いやり、寄り添った行動を心掛けたいものです。
遺族に香典を持参する際、「ご仏前」・「ご霊前」のどちらを選べばいいか、また、金額はいくらなのかご存知ですか?
今回は、ご仏前とご霊前の違いや金額の相場をご紹介します。
スポンサードリンク
ご仏前 ご霊前の違いは?
文字や言葉の意味からの違いは次のようです。
ご仏前とは、故人が成仏した仏様の前のこと、また御仏にお供えする金品のことを言い、供物の表書きの一つです。
ご霊前とは、故人の御霊の前のこと、また御霊にお供えする金品のことを言い、香典の表書きの一つです。
細かい部分に違いはありますが、意味はほとんど同じです。
しかし、日本の宗教のほとんどを占める仏教の世界では、大きな違いがあります。
真宗を除く仏教では、一般的に葬儀の不祝儀袋に使用するのは「ご霊前」で、四十九日法要を過ぎたら「ご仏前」を使用します。
この違いは、人が亡くなると霊となり、その後四十九日法要を終えると成仏して極楽浄土に行くという考え方からくるものです。
納骨が四十九日法要の際に行うのはこうした考え方からです。
しかし、浄土真宗や真宗各派においては、「霊」とした考え方がなく、人は亡くなるとすぐに浄土に還り成仏すると考えられているため、「ご霊前」を使いません。
こうした細かなルールのあるお通夜や葬儀に参列する場合は、事前に宗派を確認することが必要となります。
スポンサードリンク
訃報を受けてからの一連の流れ
訃報の知らせを聞いても落ち着いた行動をとります。
電話口で取り乱したり、病状や死因などをあれこれ尋ねるようなことは決して行いません。
まずは、遺族の方へお悔やみの言葉を伝えます。
「重ね重ね」・「たびたび」・「またまた」・「重々」・「かえすがえす」・「次々」といった、不幸ごとが続くことを連想させる忌み言葉は避けましょう。
そして、簡潔に通夜・葬儀の場所や日時、喪主、宗教の流派を確認します。
また、故人と親しい間柄であるならば、他に伝えて欲しい人などはいないか尋ね、可能であれば引き受けましょう。
ただし、遺族があまり広めたくないという場合もあるので、勝手に他の人へ連絡をすることはやめましょう。
故人の近親者や親友であれば、訃報を受けたらすぐに駆けつけます。なるべくアクセサリーなど派手なものは外し、地味な普段着で行きます。
お悔やみを述べたら、お手伝いを申し出ましょう。女性であればエプロンなどを持参しておくのもよいです。
遠方の場合は、できるだけ急いで駆けつけ、遺族に到着日時を伝えておきます。
普段からお付き合いのない親族の訃報を受けた場合は、両親や親戚などに相談してから行動しましょう。
必要によっては出席し、場合によっては弔電を届け、お悔やみのお手紙を添えて香典を郵送します。
故人と親しい関係の場合、通夜に出席するのであれば葬儀にも出席します。
香典は最初の弔問である通夜の席に準備し、葬儀の際には記帳だけで済ませます。
もし、都合で葬儀に出席できない場合は、通夜の席で遺族にお詫びをしておきましょう。
故人とさほど親しくない場合に弔問する際は、玄関先でお悔やみを述べ、あらためて通夜か葬儀のどちらかに出席します。
友人や会社関係者の親族、祖父母が他界された場合は、葬儀に出席するのがマナーです。
もし、都合で葬儀に出席できない場合は、通夜だけでも出席し、遺族にお悔やみを伝えましょう。
故人との対面は遺族にすすめられた場合のみです。自分から対面を求めるような行動は慎みましょう。
対面をすすめられ、あまりにも辛い場合や取り乱しそうな場合は、素直に伝えて丁寧に辞退しても大丈夫です。
やむをえない事情で通夜も葬儀も参列できない場合は、代理人を立てるか、葬儀前日までに弔電を打つようにします。
また、初七日までにお悔やみの言葉を添えて香典を送るか、あらためて後日弔問に伺うのがマナーです。
スポンサードリンク
ご霊前の金額の相場
故人が、勤務先の上司・社員・同僚・部下の場合、相場は5,000~10,000円です。その家族に送るのであれば3,000〜10,000円です。
故人が祖父母の場合は10,000〜50,000円、両親の場合は30,000〜100,000円、兄弟姉妹の場合は30,000〜50,000円、おじ・おばの場合は10,000〜30,000円、その他の親戚・親類では3,000〜30,000円となります。
友人・知人の場合は5,000〜10,000円、友人の親となると3,000〜10,000円と、友人とのおつき合いの深さや、友人の親との面識の有無などによって異なり、友人同士でいくらか出し合って、キリのいい金額にすることもあります。
ご仏前の金額の相場
ご仏前は、四十九日法要を過ぎてから使う仏式の法事・法要のものです。
そのため、故人と特に親しい付き合いのない場合には、親族以外は一周忌を過ぎるとほとんど法事に参列することはありません。
しかし、遺族から法事の案内が届いた場合は、1,000円~5,000円が相場となります。
故人が祖父母の場合は3,000円~30,000円、両親の場合は10,000~100,000円、兄弟姉妹の場合は10,000~50,000円、おじ・おばの場合は3,000円~30,000円、その他の親戚・親類では3,000円~10,000円となります。
引き出物が出たり、法事のあとの会食への出席などもありますので、その分を見越して少し余分に金額を包むといいでしょう。
また、回を重ねるごとにだんだんシンプルになっていきます。
金額に迷った場合は、親しい親族などに相談してみるのもよいでしょう。