シイタケやしめじなど、私たちの身近な食材であるキノコ。
いくらキレイに掃除をしても何度も復活し、主婦の敵であるカビ。
この2つには違いがないってご存知でしたか?
また、キノコやカビと同分類される酵母という生物。
この3つの生物には驚くほどの共通点があるんです。
ここでは、酵母とキノコとカビの違いを分かりやすく検証していきます。
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キノコとカビって同じ種類?違いは?
キノコとカビは、基本的に同じもので、仲間といえます。
キノコの分類は、植物界・動物界に並ぶ、菌界に属する真菌類に分類される生物です。
カビもまた、この菌界に含まれる菌類で、キノコもカビも同じ枠の中に属しています。
姿・形は全く違うキノコとカビですが、細胞の構造や栄養の摂取法をはじめとする多くの共通点があります。
特に、生殖法と細胞壁の成分は、見分けがつかないほどよく似ている点です。
カビは、糸が集まったような「菌糸」を成長させ、やがて「胞子」を作ってそれを飛ばし、繁殖していきます。
キノコもまた、木や土の中に同様の菌糸を張って生きています。
いわゆる「キノコ」として食料とされている部分は、胞子を作るための「子実体」と呼ばれる器官です。
たくさんの菌糸からできていて、大きな子実体を作ることでカビと分けられますが、普段の姿は菌糸状なので、カビと見分けがつきません。
また、キノコもカビも、細胞壁の主な成分は「キチン」や「グルカン」です。
成分的に大きな違いはなく、カビが食卓に上がってもおかしくないほどです。
これらのことからも、キノコとカビの違いというのは、胞子を作る器官の大きさという点だけなのです。
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酵母とキノコ、カビの違い
キノコとカビにそれほどの違いがなかったように、酵母もまたかなり近い生物です。
キノコやカビは、細胞が連結して増殖していくため、肉眼で見えるサイズになります。
また、胞子を飛ばして腐葉土や樹木から栄養を摂り、菌糸体を成長させていきます。
酵母はというと、「出芽」と呼ばれる方式で分裂して増殖する単細胞生物であるため、一個体として肉眼で見ることはできません。
つまり、キノコは菌類のうちで比較的大型の子実体を形成するもの、カビは子実体を形成しない菌糸からなる菌類、酵母は単細胞性の運動性が無い菌類、と考えればいいでしょう。
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キノコにもカビが生えることがある
白いふわふわした綿のようなものが、キノコの傘上部や軸の部分などにできることがあります。
これは、「気中菌糸」と呼ばれるもので、キノコの一部です。
キノコは菌糸を伸ばして活動し、土や木材・枯れ葉などを分解しながら養分を蓄え、成長しています。
菌糸体が子孫を増やすため、菌糸の成長を止めて胞子を撒くために子実体を作ります。
しかし、胞子を撒く時期が早いと何らかの要因で感じると、元の菌糸の状態に戻ろうとし、子実体の栄養を元に菌糸が成長することがあります。
これが気中菌糸というものです。
見た目にはキノコにカビが生えたように見えますが、この気中菌糸の生えたキノコは食べることができます。
調理していればほとんど見えなくなります。
しかし、気になる場合はさっと湿らせたキッチンペーパーで拭けば、簡単に取り除くことができます。
調理の直前にさっと軽く洗い流してもいいですよ。